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究極の“一手”を検証する 【TOHOシネマズ シャンテ限定】リピーター割引!

興奮に包まれる奇跡のラスト。観終わって、あの“一手”を検証したくなった方に、TOHOシネマズ シャンテ限定で、上映期間中リピーター割引を実施します。
『女神の見えざる手』の座席指定券(半券)ご提示で、2回目以降の鑑賞料金が1,100円になります。
(TOHOシネマズ シャンテの有料鑑賞のみ対象/窓口購入のみ対象/ご提示いただいたご本人のみ対象/ご購入後の変更・払い戻し不可)
ぜひ、ご利用ください。

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Introduction

オリンピック誘致、トランプ当選…… その決定は、彼らの“見えざる手”が左右していた!

政治家の心や世論を動かし、マスコミも操作し、世界を変える決断に深く関与する。そんなプロフェッショナル集団=ロビイスト。いったい彼らはどんな戦略を立て、その見えざる手で人々の心や巨大な権力すら操作するのか?

戦略の天才たちにモラルや常識は必要ない。危険な一線も越えて繰り出される秘策は、どんな武器よりも強力で過激! 一瞬先も読めないロビイストたちの闘いが、かつてない興奮とサプライズ、感動をもたらす話題作が誕生した。

ミス・スローン

したたかで巧妙な戦略、国と世論を巻き込む逆転劇が、かつてない結末を導く!

他人はすべて「道具」!? 徹底してプロフェッショナルで、私生活ゼロのヒロインの日常に驚愕!

ロビイストの“女神”に君臨するのが、エリザベス・スローン。真っ赤なルージュ、一流ブランドとハイヒールで武装した彼女が、天才的なひらめきと無敵の決断力で、巨大な勢力を敵に回すーー。
一切の妥協を許さず、敵はもちろん、味方をも畏れさせるエリザベス。睡眠時間も惜しんで策略を巡らせ、プライベートの時間をもたず、恋愛はエスコートサービスで代用。これ以上ないほど強烈なインパクトのヒロインを演じるのは、『ゼロ・ダーク・サーティ』のジェシカ・チャステイン。観客の目もあざむく演技で新境地を拓き、ゴールデン・グローブ賞主演女優賞にノミネートされた。
さらに、エリザベスと共に闘う上司役に『キングスマン』のマーク・ストロングが出演し、物語に深みをもたらす。アカデミー賞®作品賞に輝いた『恋におちたシェイクスピア』のジョンマッデン監督によって圧巻のエンタテインメントが誕生した!

銃規制法案を巡るロビー活動の攻防には巧妙な罠も仕掛けられ、予想不能のサスペンスが展開。そして逆転に次ぐ逆転劇の末に導かれるのは、清々しくエモーショナルな結末!
近寄りがたいほど鉄壁だったヒロインに、気がつけば心をわしづかみにされている。

Story

政府を影で動かす"戦略の天才"ロビイストが、銃社会アメリカに仕掛けた究極の"一手"とはーー

ワシントンD.C.で、スパーリング上院議員(ジョン・リスゴー)による聴聞会が開かれていた。召喚されているのは、敏腕ロビイストとして名高いエリザベス・スローン(ジェシカ・チャステイン)。大手ロビー会社、コール=クラヴィッツ&W在職中に手がけた仕事で不正を行っていたとされ、その真偽が問われている。

聴聞会から遡ること、3ケ月と1週間前。
エリザベスは、コール=クラヴィッツ&Wの花形ロビイストだった。勝つためには手段を選ばず、一切の妥協を許さない仕事ぶりはクライアントから高く評価され、政府やメディアからも一目置かれる存在だった。
エリザベスは、銃擁護派団体からの仕事を依頼されていた。新たな銃規制法案に対し、女性の銃保持を認めるロビー活動で、廃案に持ち込んでくれというのだ。団体の代表者は議員たちにも強い影響力をもつ人物だが、エリザベスは彼の目の前でその仕事をきっぱりと断る。その結果、上司のデュポン(サム・ウォーターストン)から、「依頼を断るなら、君にいてもらう必要はない」と言い渡される。
その夜、パーティに出席したエリザベスは、銃規制法案の成立に尽力する小さなロビー会社のCEO、シュミット(マーク・ストロング)から、自分と一緒に闘わないかと誘いを受ける。
次の日、エリザベスは部下を引き連れ、シュミットの会社へ移籍。奇策ともいえる戦略によって、形勢を有利に変えていく。
だが、巨大な権力をもつ銃擁護派団体や元同僚も負けてはいない。エリザベスの過去のスキャンダルが暴かれ、スタッフに命の危険が迫るなど、事態は予測できない方向へ進んでいく……。

『女神の見えざる手』場面写真

Cast

Staff

productionnote

初めて執筆した脚本が映画化される奇跡

もともとイギリスの弁護士だったジョナサン・ペレラが、初めて描いた映画の脚本。それが『女神の見えざる手』である。弁護士を辞め、韓国の小学校で英語を教えていたペレラは、映画学校などには通わず、手に入った脚本を片っ端から読んだという。「120ページの脚本であれば、前半60ページを読み、どう物語を終わらせるべきか自分で考えて続きを書く。そして夜中に後半の60ページを読んで比較する。そうやって勉強した」と彼は振り返る。

ペレラが『女神の見えざる手』の着想を得たのは、BBCのニュースで、不正行為で逮捕された男性ロビイストのインタビューだった。「ロビイストの仕事は政治と諜報活動が合わさったものだ。彼らがどうやって影響力を行使するのか。合法ぎりぎりのラインで、どんなストーリーが生まれるのかに興味があふれた」とペレラ。

書き上げた脚本はフィルムネーション・エンターテインメントに送られ、同社の共同社長、ベン・ブラウニングを驚嘆させる。「スリラー、ドラマ、政治の要素があり、強烈なヒロインを通して政治の知られざる舞台裏をスピーディに描いている。脚本が届いてから1年で映画が完成した。私が知る限り、こんな例はハリウッドで初めてだ」とブラウニングが語るように、脚本家のサクセス・ストーリーが実現したのだ。

作品に惚れ込んだジョン・マッデン監督のアプローチ

ペレラの脚本に感銘を受け、監督を引き受けたのがジョン・マッデンだ。「巧妙で驚きに満ちており、着地すると思われた場所に着地しない。そして型破りで偏執的なヒロインも刺激的に描いている。“勝利依存症”で何かにとりつかれた人間をスクリーンで見るのは面白い」と語るマッデンは、ペレラとともに政治や訴訟手続きの事実確認を行って、脚本を完成させていく。

通常の映画に比べてセリフの多い脚本を、どう映像化するかがマッデンのチャレンジとなった。ストーリーの勢いと緊迫感を基盤にしつつ、シーンの流れを時系列にせず、リズムを重視する方法が模索された。「がむしゃらで刺激的なエネルギーが爆発するように展開させる。そして勝利への執着心にあった虚しさに主人公が気づいたとき、それまでのスピーディな流れを、均衡状態と沈黙で途切れさせるような作りをめざした」と、その苦心をマッデンは説明する。

他に選択肢がなかったジェシカ・チャステインの起用

ジョン・マッデン監督が自分で読んだ直後に脚本を送った相手が、ジェシカ・チャステインだ。彼らは2010年の『ペイド・バック』で一緒に仕事をした仲で、マッデンは「ジェシカは当時、ダイヤモンドの原石。強烈な輝きを放っていたので、エリザベス・スローン役は彼女以外に考えられなかった」と語る。

一方のチャステインも、オファーを受けた喜びを次のように振り返る。「エリザベスは信じられないほど頭脳明晰で野心家。勝つことに執着するが、じつは心はもろい。演じがいのあるキャラクターだと感じた。ストーリーの全編にひねりが散りばめられ、先が読めると思ったら驚かされる。私はこのタイプの映画が大好きなの」。

そして2度目のマッデン監督の現場は、チャステインにとっても幸福な時間だったようだ。「マッデン監督は、撮影現場で誰に対しても思いやりをみせる人。1日しか撮影に参加しない俳優にも、チームの一員だと感じさせる。監督がすべてをまとめてくれたわ」と、マッデンへの賛辞を惜しまない。

キャリアも活かされた演技派の共演者たち

ジェシカ・チャステインを囲むキャストにも実力派が集められた。ジェーン・モロイ役のアリソン・ピルがキャストの共通点をこう説明する。「この映画には舞台でキャリアを積んだ俳優がたくさん出演している。舞台の経験から、私にとって最も重要なのがセリフ。良質なセリフと、実力のある俳優が集まることで、すぐれた言葉の応酬が生まれる」。

スパーリング上院議員役のジョン・リスゴーも、30年前にジョン・マッデン演出の舞台に出た経験があるうえ、ジョージ・デュポン役のサム・ウォーターストンと一緒に舞台に立ったことがある。「サムと私は『ハムレット』で共演し、古い友人なんだ。今回は夜遅くまで撮影が続いたが、当時が甦り、撮影と同じくらい、その思い出を楽しめたよ」。

そして「舞台」以外にも本作のキャストには共通点がある。2つのTVシリーズへの出演歴だ。1990年から2010年まで放映された「RAW & ORDERロー&オーダー」シリーズと、そのスピンオフ作品には、本作のキャストのうち、ジェシカ・チャステイン、サム・ウォーターストン、アリソン・ピル、マイケル・スタールバーグが出演。そして「ニュースルーム」にはウォーターストンとピルが出ている。ともに骨太で社会派の一面があるシリーズで、本作での演技に通じる部分があったに違いない。

トップ・ロビイストを完璧に表現したファッション

衣装デザイナーのジョージナ・ヤーリが、エリザベス・スローンの衣装へのこだわりを説明する。「エリザベスはワシントンのトップ・ロビイストなので、年収は7ケタ(100万ドル以上)だと推測した。自分では服を買いに行かず、スタイリストが自分に合ったアイテムを持ってきてくれる。彼女の服は、美しさやおしゃれのためではなく、世界と渡り合う武装のようなもの。胸元が大きく開いたブラウスや短いスカートは身につけず、色は黒がメインで、マゼンタ、ダークグリーン、紫がかったピンクなど強い色味を選んだ」。

この条件を基に、ヤーリとジェシカ・チャステインは高級デパートで服を選んだ。「ピアジェの腕時計、サンローランとヴィクトリア・ベッカムのスーツやドレス。そして重要だったのが靴。14〜15cmのハイヒールで、ジェシカは見事に歩いてくれた」とヤーリ。

大手ロビー会社の社員は、地味なスーツに白いシャツ、細いストライプのネクタイ。そして若手が集まる小規模の会社では、女性はアン テイラー、男性はJ.クルーといったカジュアルなラインが意識された。ロビイストの日常が、衣装でさり気なく演出されている。

国境を超えて訴える、徹底したリアリティの追求

ワシントンD.C.には、ロビイストの会社が建ち並ぶ、通称「Kストリート」がある。撮影はトロントで行われたが、リアルさをとことん重視した監督とプロダクション・デザインのチームにより、Kストリートの雰囲気が見事に再現された。ジョン・マッデン監督によると「ワシントンの事情通に指摘してもらい、脚本の中の古くなった描写は変更した」とのこと。ジェシカ・チャステインも「実際にワシントンへ行き、女性を中心に11人のロビイストに話を聞いた。草の根運動を実施する戦略から、家族との私生活まですべてが参考になった」と役作りの過程を振り返る。

本作にアドバイスを与えた、ロビイスト会社「グローヴァーパーク・グループ」のアダム・ブリックスタインも、そのリアリティに太鼓判を押す。「連邦議会や企業の取締役会で密かに起こっていることを、うまくとらえている。法案の構築と、それについての運動、戦略によって、すべてが『一夜で変わる』ことも常であり、そうした実態を本作は描いていると思う」。

近年、法律の改正は日本でも大きな論議を呼んでいる。『女神の見えざる手』が追求したリアリティは、国境を超え、「身近な問題」としてアピールすることになった。

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